自力に頼ったら、上手く行かないケースは多いと思います。
今回の南台湾サーフツアーでもそう感じたことがありました。
低気圧が停滞して、大雨、強風の状況でツアー入りしました。
川の水で海は茶色、波は高く、カレント(離岸流)の強いコンディション。
夏の台湾は小波のため、初心者も参加していたのです。
茶色の海は、強いカレントで、経験者でもポジションキープするのが大変でした。
そして、沖に出てしまうと、戻れなくなる可能性もありました。
初心者にとっては非常に厳しい状況。
ローカルのポイントに近づかないようにと言われても、そこへ流されてしまいます。
自分の力ではどうにもならないコンディションでした。
必死にパドルしてやっと戻るだけでは初心者は楽しくありません。
海の上で不安と緊張を強いられ、モチベーションは下がります。
なんでこんなところまで来たのか…と。
『ツアーに応募したけど放置されてる…』
『もう少し初心者が波に乗れるように手伝ってもらえないか…』
彼らの思いが伝わってきました。
一部の経験者しか乗れない状況は初心者には無理ですが、
覚悟を決めて海に入った経験は必ず活きる、
と話しました。
今の状況を打開するには、自力に頼らず、助けを求めるしかありません。
仲間としては、助けを求める人に自分が出来る精一杯のことで応えるしかありません。
翌日の最終日は大雨でしたが、波もカレントも落ち着きました。
違うポイントに移動して、メンバーでそこを独占しました。
海の上で波待ちしていても、メンバーばかりなので心強い!
皆が待っているから、ヘトヘトになってもパドルで戻れる。
と初心者の1人は話してました。
私は初心者の方に近づき、腹這い姿勢をアドバイスしました。
胸がボードと当たって痛いと彼が話していたので、重心がズレていると感じたのです。
下丹田の重心を意識して、体全体でボードに乗るように伝えたら、
パドルがすごく楽になったと言われました。
今日は、波に押される感覚の体験を目標にしよう!
どの位置でパドルするか、波を見ながら、彼と話をしました。
ちょうど良い波がやってきてパドルしましたが、
ボードが滑りだす前に立ってしまい、乗れませんでした。
でも、他力を使って、確実に1つ、彼は階段を上りました。
私と彼のやり取りを見ていたメンバーも、声を掛け始めました。
各自が話せることを伝え、彼のモチベーションを上げました。
沖まで流されていた彼が、頑張ってポイントまで戻ってきました。
昨日ならば、あきらめて陸に上がっていたと思います。
皆が『ガイドのいる所まで行って!!!』と彼を励ましたのです。
ガイドには『○○さんもおねが—い!!』と叫んでました。
この時、インサイドでは、経験者でも乗れていない人を、
ガイドの方がボードを押して、波に乗せていたのです。
ヘロヘロでたどりついた彼をガイドが押して、ついにテイクオフできました! 初めてのテイクオフ!
・・・彼はボードの上でガッツポーズしてました・・・
自力だけで何とかしようとしていたら・・・
サーフィンが嫌いになって、帰っていたでしょう。
仲間が声を掛けてサポートしたから、活力源になったのです。
最後はガイドの協力もあって、波との一体感を味わえました。
自力でどうにもならない時、
自分を曝け出して、助けを求める方が早道です。
仲間は自分達のできることで、手伝ってあげるのです。
最後はチームワークで乗り切ったサーフツアーでした。
自力に頼っているだけではサーフィンは上達しない。
これは日常生活でも同じです。
過去に執着せず、謙虚に助け求める姿勢が他力を引き寄せます。
茶色の南台湾の海から教えて頂きました。
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