こんにちは!還暦サーファーKBです。
暑い夏にお勧めの大人の外遊びがあります。
それは高原の渓流で釣りをすることです。
ここでは、渓流釣りの手順、安全に楽しむ注意点、
釣りを通じて人間性を高める視点についても書いてみます。
こんなことを書こうと思った理由は、
失敗経験が渓流釣りを安全に楽しむヒントになること。
日常世界で判りにくい自分の課題が非日常では気付きやすく
その克服が成長にもつながると思ったからです。
渓流釣りとは
山間部を流れる川で釣りをすることです。
対象魚は山女魚、岩魚などが主体です。
今回釣りをしたのは標高600mの会津高原を流れる川です。
8月の最低気温は22°で朝は毛布を掛けて寝ます。
昼間は30°を超えますが渓流では涼しく過ごせます。
渓流釣りには
餌釣り、ルアー、フライフィッシング等があります。
ここでは初心者でも魚の反応が出やすい餌釣りについて書きます。
渓流釣りに必要なもの
タイツとタビ
河原や渓流を歩き回る釣りなので
蒸れない厚さのタイツと足に合った鮎タビが必要です。
ネオプレン製の薄め(2mm程度)のタイツを使っています。
鮎タビは滑りにくいフェルト+スパイク付きがお薦めです。
アブが4匹も止まっていますが…
鮎タイツを履いていれば大丈夫です!
防虫、日焼け防止
渓流はアブ、ブヨ、ヘビ、トゲのある草、紫外線の世界です。
肌の露出を控え、長袖シャツ、防虫ネット、帽子が必要です。
釣竿
釣竿には源流、本流など、用途に応じた竿があります。
ここでは本流釣りについて記載します。
本流釣りは長め(8m~)で穂先の柔らかい竿を使用します。
私が本流釣りをする理由は
人里の釣りになるので単独釣行のリスクが低いこと。
先行者等、他の釣り人の影響を受けにくいからです。
源流部や山奥に分け入る釣りは
川沿いに進めなくなる場合があります。
川を高巻して崖を登坂する必要があるので
小さく折りたためる硬めの竿がお薦めとなります。
上流部は魚がいれば簡単に釣れるメリットがあります。
しかし登坂リスクや野生動物との遭遇リスクがあります。
また先行者がいると釣りにならない可能性もあります。
今年、岩魚の腹を裂いていた釣り人が
後ろからクマに襲われたという事例がありました。
人里を離れるほどクマよけの鈴は必須です。
私はMTBで本流を上下して釣りをしています。
こまめに動けて場所をとらないのでお勧めです。
筒状のものは手製の竿ケースです。
本流竿は長く弱いので丈夫なケースを作り、杖代わりにもします。
仕掛け
山女魚は目が良いので細い糸と小さな針が必要です。
0.1〜0.15号の糸に小さな釣針を結び目印を付けて完成です。
おもりは川の流れやポイントを見てその場で付けます。
釣針は川虫用3号を使って針全体を川虫で隠すようにします。
大きな川虫でやっと針が隠れます。
小さい川虫は2匹掛けにします。
釣り用ベストとリュック
仕掛け、針、糸、おもり、目印、サングラス、防虫ネット、
虫よけスプレー、針外し、ハサミ等はベストに収納しています。
釣り場の作業に重宝します。
水分、行動食、魚をいれるネット等はリュックに入れます。
両手をフリーにして移動するのに必需品です。
入漁券(日釣り券)
山女魚、岩魚などの雑魚券は1日1000円くらいです。
鮎は高くなります。
日本の渓流魚は鮎を含めて放流で維持されています。
入漁料は稚魚の放流費に充てられます。
貴重な渓流魚を守るために
川で遊ばせて頂くお礼としても必要な費用です。
餌は何を使うか
渓流釣りの餌は、ミミズ、ブドウ虫等が釣具店で購入できます。
川虫が採れなかった時の予備として購入しておくと安心です。
最強の餌は釣りする川で採れる川虫です。
渓流魚の腹を裂いてみると
川虫、蜂、毛虫、バッタ、いろんなものを食べています。
川の周辺にいるもの、水面上を飛ぶもの、
流されてくるものは全て餌となります。
雨が降って川が濁った時はミミズが威力を発揮します。
川虫を採る
暑い日中は渓流魚も深い場所で休んでいるので
川で涼みながらの川虫採りがお勧めです!
餌のヒラタカゲロウの幼虫は
陽のあたる白く平べったい石に張り付いています。
流れが急なほど大きな川虫が張り付いています。
写真左上から川が流れています。
流れが強い白いしぶきの周辺に大きい川虫がいます。
石のすぐ下にタモ網を構えて手ぬぐい等で石を擦って採ります。
これは結構大漁です。
川虫は目の細かい容器に入れて
水が流れるところで生かしておきます。
餌として持ち運ぶ時は
乾いた水苔と一緒にしておくとしばらく元気です。
濡れたティシュ等では呼吸が出来ずに死んでしまいます。
渓流の注意点
川に入る、渡渉する場合
川に入る時は膝下の深さまでとします。
両手はいざという時に使えるようにフリーにしておきます。
澄んだ渓流は見た目以上に深いです。
深いと判断したら、即、引き返します。
自然の中で一か八かという選択肢は重大なリスクを招きます。
1人ならば安全策以外の選択肢はありません。
想像以上に渓流の流れは強く石は滑りやすいので
一瞬でバランスを失うからです。
以前、川で流された経験があります。
滑った先が深くなっていてフワッと浮いたかと思うと…
そのまま流されました。
近づいてきた石にしがみつこうとしても滑って掴めません。
なんとか岸に戻りましたが同じ経験はもうしたくありません。
川を渡渉する場合は深くない場所まで移動します。
荷物はリュックにまとめておきます。
体の下流側に杖となるものでバランスをとりながら、
斜め下流方向へ渡ります。
小まめに身支度を整える
釣り場を移動する時
途中に木などの障害物があれば
仕掛けを仕舞い竿をたたんでから移動します。
少しの間だからと仕掛け付きの竿を持って移動して…
仕掛けを木に引っ掛ける
竿を折るという失敗を繰り返してきました。
1つ1つ丁寧に作業を完了してから移動します。
再び1つ1つ丁寧に準備してから釣りに戻ります。
面倒と考えず確実に手順をこなします。
ポイントを探す
山女魚は瀬で上流から流れてくる餌を待っています。
流れが強い流心の周囲の還流帯で
深さがあり身を隠す岩の多いところがポイントです。
想定したポイントを目指して上流から仕掛けを投入します。
餌が自然に流れていけば山女魚は反応します。
不自然な流し方、餌の様子が怪しいと反応しません。
仕掛けを流しながら目印の変化に集中します。
合わせ
目印の流れが遅くなる、妙な動きをする
ビビッと来たら竿を合わせます。
目印がなんか変だと思ったら、即合わせです。
餌が小さいほどすぐ合わせる必要があります。
合わせが遅れると
小さな山女魚が針を飲み込んでいる場合があります。
針外しで上手く外さないとすぐ死んでしまいます。
竿を上げて餌がなかった時は魚の勝ちです。
あと1回くらいはアタックしてくれるかもしれません。
チャンスは多くなく怪しまれたら反応は無くなります。
掛かったら
山女魚が掛かった最初の反応は強烈です。
グングンと水中で首を振る感じです。
まずここをしのぎます。
過去、何十回、ここで仕掛けがバツンと切れました。
釣針の結び方が甘かった…
仕掛けの糸が弱くなっていた…
自分で作った仕掛けだから納得するしかありません。
走り出す
最初のアタックをこらえると山女魚は走り出します。
すぐに竿を立てます。
山女魚は右往左往し流れに乗って逃げようとします。
竿が伸びた状態では仕掛けに負担が掛かって糸が切れます。
そこで竿の弾力性を使ってこらえる必要があるのです。
竿を立てたまま山女魚と一緒に
河原を走り回ったことも数知れずです。
岸に寄せてタモ網へ
しばらくすると弱ってくるので岸に引き寄せるようにします。
山女魚は最後まで抵抗するので簡単には寄りません。
焦らず魚を弱らせます。
手元に寄ってきたらタモ網を用意して魚を誘導します。
理想は一発の取り込みですが
空振りしても次をじっくり待ちます。
タモの直前で暴れたり方向を変えることもあります。
竿を立てた状態を保ち
魚をタモにキャッチするまで焦らないことです。
こうして長い道のりを経てファイター山女魚に会えます。
時間にしたら数分なのですが…。
流れが緩やかな石の下からは
岩魚が出てくる場合もあります。
流れが遅い岩穴の奥にはカジカがいます。
手のひらサイズまでの山女魚、岩魚は放流します。
小さな新米の山女魚は針を飲み込んでしまうので
針外しを使って素早く外してあげないと死んでしまいます。
渓流魚を守るのは釣り人なのです。
釣る楽しみと釣った魚を楽しむこと
以前、釣った魚は持ち帰ることが多かったのですが
最近は本当にキープするときだけ持ち帰ります。
釣りを楽しむのと釣った魚を楽しむのとは
分けて考えた方が良いと思います。
執着する釣り、しない釣り
私が川原で川虫を採っていた時
下流からルアーをする人が上がってきました。
上流に上がっても良いかと聞いてきたので
どうぞと答えました。
それまでの釣果を聞いたところ
すぐ下の流れ込みで
28cmの岩魚が釣れましたと話してくれました。
ロッドしか持っておらず魚はリリースしたのでしょう。
屈託のない笑顔と飄々とした風情を見て
魚に執着しない人は軽く明るいなと思いました。
渓流釣りをする人には色々な人がいます。
翌日、私が竿を出しているところに
脇から川に入り込んで竿を出してくる人がいました。
なりふり構わず、礼儀をわきまえず、
とにかく釣ってやろうという姿は醜くいものです。
魚に執着し過ぎると余裕が無く暗く重い印象を受けます。
私にはまだ魚に執着するところがあります。
釣りに特化している人を見ると
身軽でうらやましいと思います。
釣った魚を楽しむ
釣った魚をキープして民宿で料理してもらうことがあります。
山女魚は食べても美味しい魚です。
塩焼きが一般的です。
最近試して非常に美味しかったのはマリネです。
3枚におろして皮を剥ぎ、
塩、砂糖少々を振りラップして冷蔵庫で寝かせます。
レモン汁と香味野菜と合わせれば立派な一品です。
岩魚も同じです。
岩魚は頭から良いだしが出ます。
カリカリに焼いて水気を飛ばして生臭みを取ってから
熱燗に入れて骨酒にします。
濃厚なフグのひれ酒とは違う
あっさりとした旨味を味わえます。
20㎝程度の小ぶりなサイズがお勧めです。
カジカは渓流釣りでも釣れることがあります。
川虫を採ろうと石を動かした時にタモに入ることもあります。
年々、数が減って貴重な魚になっています。
以前は川に潜って簡単に見つけることができましたが、
今年は見つけられませんでした。
以前は網に追い込むと簡単に捕れました。
カジカは味が良く、熱燗に入れる鰍酒も美味しいです。
(だいぶ前の写真です)
今年はカジカを狙って穂先+10cm程度の仕掛けで
還流帯の岩の中に餌をいれてみましたが
釣れたのは1匹でした。
数が多い川なら狙っても良いでしょうが
数の減っている川は保護しないと姿を消してしまいます。
魚釣り以外の渓流の楽しみ
私が、毎年、渓流に通う大きな理由は
渓流や周囲の自然から浄化と癒しを受けるためです。
河原を歩き回り、時には渓流に立ち込んで、
仕掛けを振り込んで目印の動きを追う。
川の流れを眺め、渓流の音やセミの声に晒され続けると
日常的思考や感情から遠ざかり変性意識状態となります。
不平、不満、不安、ネガティブ思考はなくなります。
自然音のゆらぎが脳波を安定させるのでとても落ち着きます。
歩き回って民宿に戻り風呂に入って食事をいただくと…
そのまま明け方まで寝てしまいます。
本を読もうと持っていくのですが何もできません。
それでよいと思います。
精神安定療法と運動を加えた睡眠療法で
心身をリフレッシュしているので。
釣りから見える自分の課題
釣りにも人間性が現れます。
釣りの失敗は自分の課題も映しているのです。
日常で判りにくくても
非日常でも同じような失敗をしていれば
共通した自分の課題が現れているということです。
乗り越えるか否かは個人の自由ですが、
乗り越えないと人生の景色は変わらないでしょう。
仕掛けが上手くできずに物に当たる。
手間を惜しんで竿の穂先を折った。
一か八かを選択して流された。
タモに寄った魚を見て焦って糸を掴み逃げられた。
目の前に割り込んだ釣り人に感情的になった。
目指す目標が示されます。
感情に支配されず原因と結果を見極める
リスクを想定して安全策を講じておく
優先順位を確認して手順を疎かにしない
無駄な自信を捨てダメな自分を受け入れる
目の前のことに執着せず自由度を高くする
渓流釣りをしていても
自分の器を拡げる機会にできると思いました。
日本の美しい自然の中で体を動かして元気になる。
癒されてリフレッシュしながら成長にもつなげる。
これからもそんな大人の外遊びを楽しんで行きたいと思います。
(ご不明な点やお手伝いできることがあればご連絡ください。)
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