山野を疾走する~トレイルランニングの世界~

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トレイルランニングという世界があります。
山、森、渓谷等を歩き、走り、
日常生活では得られない元気を
自然界から頂けます。

この世界の歩き方、走り方の基本を
プロトレイルランナーの方から
教えて頂きました。

自然界から元気を頂ける理由と
この世界を楽しむ、歩き方、走り方について
書いてみました。

 

  • トレイルランニングとは

    トレイルとは、登山道、山の道のこと。
    舗装されていない山の道を言います。

    トレイルランニングは、
    木の根、落葉、石、岩、土等と
    様々な状態にある登山道の起伏と
    移り変わる景観を楽しみながら
    走るものです。

    自分の体力に応じて
    歩いたり、走ったり、休憩して、
    自然の中で体を動かすことを楽しみます。

  • ロードランニングとの違い

    ロードランニングは舗装道(アスファルト)を
    走ります。

    トレイルランニングは登山道(トレイル)を
    走ります。

    足への負担は、走り方にもよりますが、
    落葉や土の方が、アスファルトより
    衝撃は少なくなります。

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    ロードランニングは市街地を走りますが
    トレイルランニングは自然の中を走ります。

    新緑の輝き、森や土の香り、苔の放つ湿度、
    心洗われる渓流の音、鳥の声等、
    五感で自然を感じながら体を動かします。

    IMG_1030

    山の稜線に出れば、
    来た道が確認できて、これから向かう道が望め
    遠くの山々の眺望が広がります。

    都市部から日帰り範囲にも多くのトレイルがあり、
    日常から離れた自然環境でリフレッシュできる、
    トレイルランニングは人気が出て来ています。

  • 必要な装備

    トレイルを走るには専用シューズがお勧めです。

    ソール(足底)が滑りにくく加工され、
    岩等に足を乗せてもグリップが効くように
    なっています。

    IMG_2358

    ウエアは通常のランニングウエアでOKです。

    しかし
    天候急変、水分・エネルギー補給に備えて、

    防寒・防風目的の速乾性ウインドブレイカー
    飲料水を入れたハイドレーションバッグやボトル、
    エネルギー補給用行動食、サングラス、虫よけ、
    日焼け止め、ファーストエイドキット、
    交通機関を利用する場合はICカード等と

    これらを収納できるザックの装備が一般的です。

    また、多くのトレイルは電波状況が良くないので
    トレイルでは携帯を省エネか機内モードにします。
    バッテリーは万一に備えて温存しておきます。

  • 注意点

    登山道を走るので、基本は登山と同じです。
    ハイキングコースでも自然が相手なので、
    注意点は押さえておきましょう。

    グループ行動が基本です。
    経験ある人がリーダーを務めます。

    リーダーはルートや行動時間を把握します。
    中止する場合の迂回ルートも確認しておきます。

    当日はメンバーの体調をチェックして
    体力に自信の無い方を基準に行動します。
    無理な行動はせずメンバーの状況に合わせます。
    場合によってはルート変更や中止を検討します。

    山は日が暮れるのが早いので、明るい時間に
    市街地に戻れるように時間配分をします。

    行動時間が長くなる可能性がある場合は
    トレイルを照らすヘッドランプやハンドライトを
    装備に加えます。

    天気予報で予想気温(100m登ると気温-0.6℃)
    降雨確率、風力(1m吹くと体感温度-1℃)を
    調べておき、必要な装備やウエアを装備します。

    走る時はリーダーが先頭、
    次いで基準となる体力の弱い方が続き
    最後尾は体力がある人が努めます。

    他の登山者、ハイカーに配慮します。
    すれ違う時は走るのを止めます。

    狭いトレイルなら安全にすれ違う場所で待ちます。
    後ろから近づく場合、そばに行ったら、
    トレイルランナーは歩き、声を掛けて、
    先に行かせていただくポイントを探ります。

    トレイルは利用する人達が共有する場所です。
    相手への配慮、周囲の人への安全、
    落石等をしないように注意を払います。

    貴重な動植物等が生息している場所もあります。
    自然環境に配慮して、トレイル外には
    立ち入らないようにします。

    自然環境へのリスペクトと他の人への配慮
    過信しない謙虚さが大切です。

  • プロトレイルランナーの視点

    所属するBEACH HAYAMA のプログラムで
    プロトレイルランナー石川弘樹氏と
    走る機会がありました。

    プロトレイルランナーの視点や実際の動き
    考え方について書いてみます。

    まず、自分のペースで楽しむこと。

    疲れたら歩くこと。
    つらい思いで走らないこと。
    ポジティブシンキングで走ること。

    走らされ感ではつらいだけで
    技術や体力の向上、楽しむ気持ちは起きません。
    ポジティブな自己研鑚を勧めていました。

    登るポイントは、

    小さいステップで登り、1歩の段差を大きくしない。
    これは登山でも同じです。

    1歩の段差が大きいと高低差で脚への負担が増します。
    同じ高さの石から石へと、平行移動を心がけると、
    上下動が少なくなり、登りでの消耗が減ります。

    高低差がある場合、ジグザグのルートで登ると
    脚の負担は軽減されます。

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    下る技術として、

    その場で軽く ”腿上げ走” をするイメージで
    細かいステップで走ること、

    1歩1歩の体重移動は確実にすること、でした。

    下りも段差が無いルートを選択して、

    ”水の流れるが如くスムースなコース取りをする”
    イメージをもつことです。

    段差のショックは下半身の動きだけで吸収して
    上半身はリラックスします。

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    水は少しずつ低いところへ移動しながら流れます。
    段差の少ないルートを瞬時に選択して
    細かいステップで1歩1歩の脚への負荷を
    軽減します。

    下半身だけで路面のショックを吸収するのは
    腕を後ろ手に組んで下りを走ると
    よい練習になる(なんと!)とのことでした。

    そして、普段とは別次元の走りを体験するため
    1人ずつ、直後を走らせて頂きました。

    プロの下りの走りについていくと…
    想像できない世界に驚きました。

    こんな根っこだらけのギャップの下りを
    こんなに滑らかに速く下れる。

    こんな石畳(旧東海道の石畳)の上を
    こんなスピードで降りられる!

    こういう世界なんだ…と。

    私の悪癖も足音で指摘して戴きました。

    下りの石畳の上で足を着地させる時に
    足を少し動かすので荷重が不安定になる。
    もっと、1歩をしっかり着地させること。

    それに慣れれば、1歩1歩の着地回転を上げて
    もっとスピードを上げられる。

    トレイルを登る、下る技術が身に着くと
    心に余裕ができて、もっと自由にトレイルを
    楽しめる。

    今回は
    箱根のトレイルを走りましたが
    箱根のエネルギーも頂けた気がします。

    IMG_1011

    古からの交通要所、東海道の石畳を走りました。
    また、”関東で事業をするなら箱根” と言われる
    箱根神社の御神域でもありました。

    晴れていれば、芦ノ湖や富士山も望めます。
    その土地の醸し出すパワーも楽しめます。

  • 日常生活に活かすもの

    日常生活では
    様々なストレスや、不平、不満等の悪想念、
    その他好ましくない影響を受けて
    直感や感性が低下していると言われています。

    自然界には低下した人の機能を
    元に復元する力があると言われています。

    例えば、自然界には、
    都会に無い周波数の音が存在します。

    都会にある音は10~15キロヘルツですが、
    自然界には100~130キロヘルツまで存在すると
    言われてます(可聴域は20キロヘルツ)。

    昔、人が自然の中で生活していた頃、
    この周波数域は危険察知や安全の目安と
    なっていたと想像されます。

    この領域の周波数は
    皮膚を通じて体内に伝わり、
    それに反応して大脳基底核の血流が増える
    という研究報告があります。

    大脳基底核の反応は
    人が持つ直感や感性の働きを高めると
    言われています。

    見る、聞く、嗅ぐ、皮膚で感じること、
    そして体を動かすことで起こる体内循環で、

    人が本来有する機能を呼び起こせると
    思います。

    ゲームやTVでは体験できないリアルの世界。
    インドアスポーツで体を動かしても得られない
    感覚だと思います。

    自然の中で体を動かすアウトドア活動から
    私たちは多くの元気を頂けると思います。

    その元気から
    自分の考え方や生き方を良い方向へ
    変えることができると考えています。

    今後も実践して行きたいと思ってます。

    (ここまでお読みいただきありがとうございます)

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